梅乃宿とは
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梅乃宿のパイオニアたち

酒を造るということは、日本の文化を継承するということ。 酒文化の伝道する梅乃宿のポリシーをご紹介します。

SEASON 01

酒造りの担い手たち

vol.11 科学の知識を酒造りに生かす。梅乃宿は、夢が広がる蔵。

製造部 清酒製造課 杉野 司

熊本大学で理学部理学科に所属し、大学院時代は酵母の細胞のメカニズムを研究していました。博士号の取得をめざしていましたが、学会に参加して上には上がいることがわかり、自分のスキルが生かせる場所を探しているうちに梅乃宿に出会いました。

入社後の研修期間は営業を学び、9月に念願の蔵への配属が決まりました。蔵の中でもっとも経験が浅いこともあり、現在は仕事を覚えるだけで精一杯ですが、いずれは学生時代に学んだ科学の知識を生かし、酒造りのアイデアを出していけたら嬉しいです。まだ入社して1年ですが、一生の仕事に出会えたと感じています。

梅乃宿では、毎年若手の蔵人だけでUK-01というお酒を造っています。杜氏のOKが出ないと販売ができないため、一瞬も気が抜けない真剣勝負なのですが、2013年は見事に販売にこぎ着けました。その様子を見ていて、若い人たちがどういう日本酒に興味を持つのか、伝統的な手法を残しながら現代にマッチした日本酒を造るためには何が必要か、などを研究するようになりました。早く自分も知識と技術を身につけ、若手の蔵人と胸を張って言えるようになりたいと思っています。

ところで、梅乃宿は、お酒はもちろんですが、蔵の雰囲気がいいことも自慢のひとつ。週に1度の食事会は、やかんでつけた燗酒を囲みながら杜氏の話や先輩の体験談などが聞ける場で、仕事の後の楽しみになっています。こうした場にみんなが気軽に参加できる空気があるからこそ、普段のコミュニケーションも円滑なんだと思います。一般の企業に就職していたら、こんな経験はできなかったのではないでしょうか。

梅乃宿のお酒との出会いは、学生時代に飲んだリキュールでした。しかし、日本酒を学ぶうちに、本醸造の深い味わいが大好きになりました。ほどよい香りと日本酒らしい甘さ。また飲みたいと思わせる後味の良さ。こうした伝統のお酒造りに最新の科学を取り入れ、たとえば効率などをアップすることができたら、もっと多くの人に梅乃宿の日本酒を楽しんでもらえるのかもしれません。それが「新しい酒文化の創造」につながっていくような気がしています。

今後は、海外で梅乃宿の世界が広がっていくのも楽しみです。外国の人びとにも、もっと梅乃宿の日本酒を飲んでほしい。その先に日本酒の新しい世界が広がっていくのではないかと、今からワクワクしています。